高橋克彦『偶人館の殺人』(角川文庫) 

 これも一昨日。
 「からくり人形」というこれまた江戸の、即ち日本の優れた技術力を惜しみて惜しみて書かれたであろう推理小説。この次に『ドールズ』を読んだので、「人形つながり」ということですんなりいけました。
 確かに、日本の機械技術、手工業技術って凄いですね。もっとアピールしてほしいです。日本はアピールが下手です。
 これも、アクの強い登場人物(やっぱり「女優」に「富豪」に「ミュージシャン」)に風変わりな探偵、プロローグに出てくる、謎の館で行なわれたハイソなパーティでの事故死…と、『金田○少○の事件○』が喜んでパクりそうな要素ばっかりです(笑)(あれは漫画だから許されてるだけで、新本格のミステリをパクりまくっていることは有名。でも単行本版はともかく、特別長編原作の天城○丸って同業者なのに、いいんだろうか…そういえばこの人のシリーズも「腹話術人形」シリーズだ)
 高橋さんには珍しく、2時間ミステリドラマっぽい結末にはやや萎え。まあこの話は、あくまでからくり人形を描きたいってことなのかな…
 ことわざ大好き探偵・矢的遥は面白いキャラだし色々な日本語に「へぇ〜」なので、続編が読みたいです。
 でもってやっぱり、コンビを組む女性キャラ、可愛くないです。小説にこれを言うのは野暮だが…こんな女いねえって。
 塔馬双太郎シリーズの女優・月宮蛍同様、この作品でも、「誰もが自分を女王扱いすると思っている女優が無視されて屈辱を感じる」というシーンがあります(笑)女優さんをいっぺんはへこませてみたいらしいです(?)。…でもこれもパターンかなぁ。女性キャラはどうも、不自然で落ち着かない。