先週末から今日までの本

 如菩薩団―ピカレスク短篇集 陰悩録―リビドー短篇集 フレンチ警部と漂う死体
 筒井康隆の新刊、ではなく、テーマ別新編集の2冊。『如菩薩団 ピカレスク短篇集』、『陰脳録 リビドー短篇集』、いずれも角川文庫、今年の夏に出てました。『ウィークエンド・シャッフル』も新装版らしいんで予約してます。どれも勿論、前に読んだことのある作品ですが、久々に読み返して、またその毒と自由さにやられました。『如菩薩団』は、表題作もいい(確かにこの作品の中の奥様方の発言には頷けます)んだけど、やっぱり「村井長庵」(笑)。『銀齢の果て』と一緒に職場の上司に読ませたい(うち、保険関係の団体なもんで)。『陰脳録』は、表題作かな。あのヒネリが最高。
 『半七捕物帳』の続き。今日やっと6巻と7巻で終了。
 今日は、また田村さんの続きも。『ぼくの航海日誌』(中央公論社)、『ぼくの中の都市』(出帆新社)、『この金色の不定形な液体』(新潮社)。明日も続き。明日からは吉田健一さんも。
 クロフツも、先日新刊『フレンチ警部と漂う死体』(論創社)を読んでやっぱり面白かったので、再び『樽』を借りてます。あと好きなのは『クロイドン発12時30分』かな。クロフツは最近、早川ミステリから新装版が出ていますね。あとは長らく入手超困難の『フレンチ警部最初の事件』さえ復刊されれば…。(”日本のクロフツ鮎川哲也も大好き。理詰めの作品を「暗い」としか評さない風潮は許せない。)
 しかし、新刊の『漂う死体』は、毎度の地味で確実は作風はいいんですが、わかってみると、「こんな杜撰な犯人いるかいぃ!!!!!!」。犯人は一応意外なところなんだけれども、あくまで「わかってみれば」ですが、捜査陣を悩ませた謎が、全部犯人の余りな杜撰さから来る失敗であった、というのはどーも(^^;)